画像の生成系AIとして注目されている Stable diffusion。
これを自分のPC(Windows)にインストールしようと思った時、事前にPythonやGitをインストールしなければなりません。
多くのサイトではインストール手順として画面のスクリーンショットが貼り付けられていますが、その枚数の多さに、「めんどくさ!」とか「今の環境を汚したくないな~」と思った方は多いのではないでしょうか?
私もそうでした。
そこで、この記事では、PythonやGitをインストールすることなく(自分の環境を汚すこともなく)、手軽且つ簡単に stable diffusion web UI (AUTOMATIC1111版)を使えるようにする方法をご紹介します。
尚、モデルに関することや、プロンプトに関することが詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧下さい。
モデルに関する記事 | 【詳しく解説】Stable diffusion モデルのダウンロードと使い方 |
プロンプトに関する記事 | 【よくわかる】Stable diffusion プロンプトの作り方 |
画質に関する記事 | 【図解明解】Stable Diffusion で簡単に画質を上げるVAE、EasyNegative、NegativeHandの極意 |
インストール手順の概要
「インストールすることなく」と申しましたが、実際にはファイルを解凍することで、インストールが完了します。
Python及びGitには、それぞれインストール版とポータブル版が用意されており、ポータブル版はファイルを解凍するだけで使えるようになります。
具体的には、次の5つの手順を実行していきます。

Pythonポータブル版のダウンロード&解凍
下記のリンクをクリックするとPythonポータブル版のダウンロードページが表示されます。ここに表示されている「Winpython64-3.10.9.0dot.exe」をクリックし、ダウンロードしてください。

ダウンロードが成功したら、ダウンロードしたファイルをダブルクリックにより実行してください。すると、解凍先のフォルダの入力を求められます。
初期状態はダウンロードフォルダになっているので、特に変更の必要が無ければ「Extract」をクリックします。

解凍に成功すると WPy64-31090 というフォルダが作成されているはずです。
Gitポータブル版のダウンロード&解凍
下記のリンクをクリックするとGitポータブル版のダウンロードページが表示されます。ここに表示されている「64-bit Git for Windows Portable. 」をクリックし、ダウンロードしてください。

ダウンロードが成功したら、ダウンロードしたファイルをダブルクリックにより実行してください。こちらも、解凍先のフォルダの入力を求められますが、特に変更の必要が無ければ「Extract」をクリックします。

解凍に成功すると portableGit というフォルダが作成されているはずです。
Pythonポータブル版フォルダにGitポータブル版を移動
Wpy64-31090フォルダの直下にPortablGitフォルダを配置します。
具体的には、PortablGitフォルダを Wpy64-31090フォルダにドラッグ&ドロップして下さい。

次に、Wpy64-31090フォルダを丸ごと最終的に置きたい場所(ライブ又はフォルダ)に移動してください。
PythonとGitはポータブル版なので、USBメモリに入れて持ち運んで別のパソコンで実行することが可能ですが、stable diffusion web UI はポータブル版として作られていないため、インストール後にドライブやフォルダが変わると、動作しなくなります。
Pythonプロンプトを起動
もう一度申しますが、以降の操作は、最終的にインストールしたい場所に Wpy64-31090フォルダを丸ごと移動またはコピーしてから実施して下さい。
WPy64-31090 フォルダをダブルクリックし、フォルダを開きます。
次に、PoratbleGitフォルダが存在することを確認したのち、WinPython Command Prompt.exe をダブルクリックにより実行してください。

次のDOSプロンプトが表示されます。

stable diffusion web UIをインストール
プログラム一式をダウンロードするため、DOSプロンプトから下記のコマンドを実行して下さい。
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cd .. portableGit\git-cmd git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git |

プログラム一式がダウンロードされたら、stable-diffusion-webui フォルダにカレントフォルダを移動し、webui.bat を実行します。
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cd stable-diffusion-webui webui.bat |

stable-diffusion-webuiのインストールでは、おおよそ10GB程度のデータがダウンロードされます。パソコンのスペックや通信環境にもよりますが、5分~10分くらい掛かるので、気長に待ちましょう。
インストールに成功すると、下記の画面で表示が止まったままになります。

画面の真ん中くらいに 下記のURLが表示されるはずです。
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http://127.0.0.1:7861 |
これをブラウザのアドレス欄に入力し、エンターキーを押すと、table-diffusion-webui の画面が表示されます。

動作確認
txt2img の入力欄に 「 dog 」と入力し、 generate ボタンをクリックすると、犬の写真が描画されます。

終了方法
ブラウザを閉じても stable-diffusion-webui は終了せず、裏で動き続けます。DOSプロンプトの×をクリックして、DOSプロンプトを閉じてください。

再実行の方法
再実行するには、DOSプロンプトを開いて、コマンドを3つ実行します。
まず最初に、WPy64-31090 フォルダをダブルクリックし、フォルダを開きます。続けて、WinPython Command Prompt.exe をダブルクリックにより実行します。

開いたDOSプロンプトから、次の3つのコマンドを実行することで、再起動できます。
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SET PATH=%PATH%;%WINPYDIRBASE%\PortableGit;%WINPYDIRBASE%\PortableGit\bin cd %WINPYDIRBASE%\stable-diffusion-webui webui.bat |

再起動したら、ブラウザのアドレス欄に下記のアドレスを入力し、エンターキーを押してください。
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http://127.0.0.1:7861 |
再実行用のバッチファイル
再実行する際に、毎回コマンドを3つ実行するのが面倒な場合は、sd.bat という名前でコマンドを記述したバッチファイルを作成し、 script フォルダに入れておけば便利です。

DOSプロンプトが開いたら、sd と入力し、エンターキーを押すだけで起動できるようになります。

Stable diffusion web UI の完全削除(アンインストール)
Python、Git、Stable diffusion が Wpy64-31090フォルダに格納されているだけです。
Wpy64-31090フォルダを丸ごと削除するだけで、アンインストールは完了します。

まとめ
今回は、Stable diffusion web UI (AUTOMATIC1111版)のインストール方法について紹介しました。
他のサイトではPythonとGitをインストールしてから、Stable diffusion web UI をインストールする手順ばかりが紹介されています。
PythonやGitをこれから使うのであればインストールをお勧めしますが、ちょっと試してみたいとか、既にPython環境があって、それを壊したくない場合は、今回紹介したポータブル版を利用する方法が安心です。
インストーラーを使うと色々と英語でいろいろと聞かれ、何を入力すればよいか、どれを選べばよいか迷うことが多々ありますが、今回の場合は圧縮ファイルを解凍するだけなので、非常に簡単です。
Stable diffusion web UI をインストールしたいけど、ややこしそうと躊躇している方は、是非この記事を参考に、チャレンジしてみてください。