背景を切り抜くアプリは、動画や画像の編集に欠かせないツールです。しかし、手動で切り抜くのは意外と手間がかかり、なかなか思い通りの形にならないことも。
最近では、自動で背景を切り取ってくれるアプリも登場しており、手軽に背景を切り抜くことができるようになりました。
ということで、今回は自動で背景を切り取るアプリ「Photo BG Remover」を検証してみたので、その使い勝手や機能性について、紹介したいと思います。
Photo BG Remover とは
Photo BG Removerは、写真の背景を切り抜くことに特化した製品です。ブルーレィやDVDのコピー、ストリーミング動画のダウンロードなど、マルチメディア製品を手掛ける老舗の企業「Leawo」が開発、販売しています。
Photo BG Removerは、最新のAI技術(ディープラーニング)を使用することで、人物などのオブジェクトと背景を自動で識別し、サクッと削除してくれます。
同様のことは Photoshopなどのレタッチソフトを使えば可能ですが、切り抜く部分をマウスでなぞる必要があるなど、とても面倒な作業です。
Photo BG Removerを使えば、画像を読み込ませるだけで同時に自動で背景を切り抜いてくれますのので面倒な操作は必要ありません。仮に期待通りに切り抜けなかったとしても、簡単な操作で修正が出来るため、大幅な時間短縮が図れます。
また、複数又はフォルダ丸ごと一括して切り抜く事が出来たり、背景を別の画像に差し替えられたりと、付属の機能も充実しています。
主な機能について以下にまとめておきます。
機能 | 説明 |
---|---|
自動背景削除 | AIにより自動で背景を認識し、削除が可能。 |
手動背景削除 | ペンで塗り潰す感覚で、消したい範囲の指定が可能。 |
背景の透明化 | 背景を透明化することが可能(透過PNG) |
背景の変更 | 写真の背景を任意の色、または別の写真に変更が可能。 |
詳細な背景削除 | 髪の毛、毛皮、羽毛などの複雑な部分も背景の削除が可能。 |
簡単操作 | 技術的なスキルが不要で、直感的な操作が可能。 |
主要なフォーマットに対応 | 主要なフォーマット(JPG、PNG、TIFF、WEBPなど)に対応。 |
多言語対応 | 複数の言語で利用可能。 |
Photo BG Remover の入手とインストール
Photo BG Remover は Leawo PhotoIns というアプリの1機能(モジュール)として販売されているため、Leawo PhotoInsをインストールすることになります。
Leawo PhotoIns は、ライセンスとバージョンアップ管理のランチャーアプリで、2023年10月現在において3つのモジュールが用意されており、モジュールごとにライセンス販売がされています。
また、同時に複数のモジュールを購入すると、割引を多く受けることができます。
無料体験版のダウンロード
Leawo BG Removerの公式サイトのダウンロードボタンをクリックして、インストーラーをダウンロードして下さい。
しばらくすると、online_photoins_setup.exe というファイルがダウンロードされます。
無料体験版には、フォルダ内の画像の一括背景くり抜きが出来ない、出力される画像には透かしが入り、広告が埋め込まれまるという制限があります。
しかし、それ以外は正規版と全く同じなので、自動切り抜きの精度や使い勝手などを確認することが出来ます。
インストール方法
online_photoins_setup.exe をダブルクリックで実行し、画面の指示に従ってください。クリックを2回行うだけの簡単インストールです。
「今すぐ実行する」をクリックすると下記の画面が表示されますので、画面左下の Photo BG Remover をクリックして下さい。
今回は Photo BG Remover だけを評価しますが、残り2つについてもここから体験版を実行できます。
Photo BG Remover の使い方
ここでは使い方の概要だけを紹介しておきます。より詳しい説明は公式サイトの「Leawo Photo BG Removerの使い方」をご確認下さい。
基本操作
Photo BG Remover を起動したら、任意の画像をドラッグ&ドロップします。
もちろん、複数の画像を選んでドラッグ&ドロップしたり、任意のフォルダをドラッグ&ドロップすることも可能です。

次に「出力」ボタンをクリックし、表示される出力設定画面から「出力〇枚写真」ボタンをクリックすると、背景が切り抜かれた画像が保存先のフォルダに出力されます。

ちなみに、初期設定の保存先は下記のフォルダになっています。
個別に画像を切り抜く
いくらAI搭載と言っても、100%完全に背景が切り抜かれるとは限りません。そんな時のために、切り抜き範囲を微調整する機能が用意されています。
微調整したい画像をダブルクリックすることで、切り抜き画面が表示されます。

この切り抜き画面では、マウスを使ってAIが判断した背景とオブジェクトの境界をなぞることで、その部分だけAIがやり直し(再切り抜き)してくれます。
また、手動モードも用意されており、AIを介さず自分で細かく微調整することも可能です。
背景とオブジェクトの指定が終わった後は、境界線をなめらかにしたり、ぼかしたりするなど、Adobe Photoshop と同様にきめ細かな切り抜きが出来るようになっています。
精度検証
今回は10枚の画像を自動で切り抜いてみました。結果を見ての感想ですが、かなり精度よく切り抜いてくれています。
背景が複雑な部分や、白飛びしている箇所は苦手な様で、期待通りに切り抜かれなかった箇所もそれなりにありますが、おそらくこれが現時点のAIの限界なのでしょう。
とはいうものの、ここまで切り抜いてくれたら、後はほんの少し修正すればよいので、かなり時間短縮が出来るのではないかと思います。
ただし、2400万画素(4000×6000)という巨大な画像に対して、細かな調整のために部分拡大しながら作業する場合、それなりにマシンパワーが必要です。Core i5-13400(10コア16スレッド4.60GHz)のCPUと48GBのメモリを搭載したPCでも、かなり重かったです。
あくまでも拡大しながら作業する場合なので、全体表示のまま調整するのであればストレスなく作業できます。
最近のスマホやデジカメの写真は解像度が高いので、うっかりオリジナルサイズのまま部分拡大して作業してしまった場合はご注意ください。
検証結果
切り抜く元画像
Stable Diffusionを使って生成した画像です。

切り抜いた結果
各画像は四角い線で囲っていますが、これは個々の画像の境界を区別しやすくするため、私が便宜上入れたものです。実際に出力される画像には、このような四角い線は描かれませんので、ご安心下さい。

購入方法
製品はPhoto BG Remover の公式サイトから購入可能です。ライセンスには有効期間が1年間のものと、永続の2通りが用意されています。
また、3つのモジュールを同時に購入すると、大幅な割引が受けられます。購入ページでモジュールを選ぶとリアルタイムで割引金額が表示されるので、一番お得な買い方を選んで下さい。

まとめ
今回は、AIの技術を用いて画像の背景を切り抜くPhoto BG Removerについて、概要と使い方、実際の切り抜き結果の検証を行いました。
最新のPhotoshopでは、自動で人物やオブジェクトを認識してくれる機能が搭載されていますが、Photoshop自身が非常に重く、人物やオブジェクトの検出に時間が掛かります。
また、サブスクにせよ買い切りにせよ、Photoshopはコストが高いです。
その点、Photo BG Remover はPhotoshopと比べ物にならないくらい操作が簡単で、且つ切り抜きのエッジ処理もPhotoshopと同等です。複数画像をまとめて切り抜きすることも可能ですし、何よりリーズナブルです。
写真の切り抜きを頻繁にされる方にとっては、かなり重宝する製品ではないかと思います。
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