パソコンには大きく分けて、持ち運びを前提としてノートパソコンと、据え置き型のデスクトップパソコンの2種類があります。
今回は両者の違いと、選ぶ際のポイントについて解説したいと思います。
これからパソコンを購入されようとしていて、どちらにしようか迷っている方は、是非この記事をご一読ください。
ノートパソコンとデスクトップパソコンの大きな違い
ノートパソコンとデスクトップの違いを端的に表すと、ノートパソコンは「持ち運びして使う」ことを前提に作られているため、省スペース、省電力、軽量さが追及されています。
一方、デスクトップパソコンは「カスタマイズして使う」ことを前提に作られているため、サイズが大きくなり、ディスプレイやキーボード、マウスなども全て外付けになっています。
両者の違いをレーダーチャートで表すと、次のようになります。

実際には、ノートパソコンと同じパーツを組み込んだ超小型デスクトップパソコンや、2Kgを超える大型ノートパソコンなど、様々な種類が存在しますが、それは後述するそれぞれのデメリットを解決するための試みとなります。
ノートパソコンの特徴とメリット・デメリット

それでは、ノートパソコンの特徴とメリット、デメリットについてもう少し詳しく見ていきましょう。
特徴
ノートパソコンは持ち運びが前提となっているため、各メーカーは小型化、軽量化を競うことになります。
その結果、CPU、メモリ、ストレージは汎用品を搭載しているものの、それを載せるメイン基板は各メーカーが独自に設計することになります。
また、ノートパソコンには10インチ、11.6インチ、13インチ、14インチ、16インチといった具合に様々なサイズのディスプレイが搭載されており、その数だけサイズが異なるメイン基板が必要になります。
こうしたことから、量産化によるコストダウンを図ることが難しく、どうしても値段が高くなってしまいます。
最近はコストダウンを図るため、メモリとストレージをメイン基板に直付け(半田付け)する製品も増えており、ノートパソコンの性能を上げるため、メモリやストレージを後から追加することすら難しくなってきました。
メリット
メリットは何と言っても次の3つです。
- 持ち運びが出来る
- 設置場所に困らない
- 消費電力が低い
重さは1Kg未満のものから、2Kgを超えるものまで様々ですが、どんなに重くても3Kg以下なので、室内の移動は問題ありません。
ちなみに、常時カバンに携帯するという用途であれば、1Kg前後がお勧めです。
設置場所についても、17インチのノートパソコンならB4サイズ(約30cm×約40cm)程度の場所に収まるので、十分省スペースと言えます。
消費電力についても、おおよそ1KWhで 27円で換算すると、1か月(31日)を24時間、Core-i5のCPU(28W)をフル回転させたとしても (31×24×28W÷1000Wh×27)=562円程度にしかなりません。
デメリット
デメリットは次の2点です。
- 拡張性が低い
- 価格がデスクトップより割高になる
拡張性とは、メモリやストレージを増やしたり、性能の良いグラフィックカードを増設するような場合です。
先ほども述べましたが、最近はコストダウンのためにメモリとストレージが半田付けされて交換できない製品も増えてきました。
交換不可となっていても、中には無理やりカバーを開けてメモリやストレージを交換/増設できるものもありますが、カバーを開けた時点でメーカー保証が切れることを覚悟しなければなりません。
また、価格についても前述したように量産化によるコストダウンが図れないことや、小型化・精密化に伴うコストアップなどの影響により、デスクトップより1.5倍~2倍程度は割高になってしまいます。
デスクトップパソコンの特徴とメリット・デメリット

次に、デスクトップパソコンについて詳しく見ていきましょう。
特徴
デスクトップパソコンはカスタマイズ性が重視されるため、本体のサイズは大きくなります。
本体のサイズが大きくなるという事は、発熱量の多い高性能CPUやグラフィックカードを搭載することも容易です。
また、CPUやメモリ、ストレージだけでなく、メイン基板やケース(筐体)に至るまで規格品が用意されており、ノートパソコンのようにパソコンメーカーによる設計を必要としません。
これらの理由により、NECや富士通、東芝などの国内メーカー、DELLやHPなどの海外メーカー以外に、パソコン工房やマウスコンピュータ、アプライドなどのパソコン販売店によるオリジナルブランドのパソコンが広く販売されています。
結果的に、同性能ならノートパソコンよりも安い価格で購入することが出来ますし、自分のニーズに合ったパーツを組み合わせた自分専用のパソコン(BTOパソコン)を購入することも可能になっています。
メリット
メリットは次の通りです。
- カスタマイズ性が高い
- ノートパソコンに比べて安価に購入できる
- ラインナップが豊富
カスタマイズ性が高いということは、現時点で必要なスペックのパソコンを購入し、必要に応じて機能を拡張したり、性能をアップすることが可能ということです。
例えばメモリやストレージは普通に交換できますし、液晶ディスプレイやキーボード、マウスに至るまで自分の好みに合わせた製品を組み合わせる事が可能です。
また、必要ならパソコン本体だけを買い替えるという事も出来ます。
安価に購入できる点も大きなメリットで、同じ価格なら1ランク~2ランク上のCPUが搭載された製品が購入できます。
ラインナップについても、DELLやHPなどの海外メーカと国内パソコンショップにおいて、パーツを選んで完成品を購入するというBTOがあるため、ノートパソコンよりはるかい多い選択肢の中から選ぶ事が出来ます。
デメリット
デメリットは次の2点です。
- サイズが大きいため設置場所が必要
- 消費電力が高い
サイズについては、液晶ディスプレイの裏に取り付ける超小型パソコンも発売されていますが、ノートパソコンと同じく拡張性に乏しいため、ノートパソコンを買うより価格が安く押さえられるというメリットしかありません。
一般にはスリムサイズ以上のパソコンを購入することになりますが、液晶ディスプレイやキーボード、マウスの場所を考慮すると、机1つ分のスペースはどうしても必要になります。
また、パソコンの性能を上げるにつて消費電力も比例して上がっていくため、長時間の利用の場合は電気代も気になります。
最近のCPUは消費電力が下がったとはいえ、デスクトップ用Core-i5の場合でも35W~125Wまでラインナップがあり、どれを選ぶかにより大幅に異なります。
一番普及しているであろう 65W で考えると、1か月1200円を超える計算になり、これにNVIDIAのグラフィックカード GTX-1650(75W)を組み合わせると、2800円まで上がってしまいます。
ノートパソコンとデスクトップパソコン、どっちを選ぶべき?
お金がある方は高性能のゲーミング用ノートパソコンを1台買っておけば、おおよそ困ることは無いと思います。
あとは、使い勝手に応じて液晶ディスプレイやキーボード、マウスを外付けすれば、デスクトップパソコンのように使うこともできます。
しかし、多くの場合は費用対効果が問題になりますよね。
となると、ポイントは「携帯性」と「性能」のどちらを重視するかです。
もし「持ち運びしたい」、「外出先でパソコンがしたい」のであれば、ノートパソコンで、予算の許す限り高性能のパソコンを買いましょう。
もし「持ち運びは考えない」のであれば、作業性の良いデスクトップを購入し、後々必要に応じて買い足すのがよいかと思います。
では、性能はどれだけ必要なのでしょう?
それは、3Dゲームを綺麗な画像で楽しみたい、あるいは動画編集をバリバリしたいかどうかによって変わってきます。
これら3Dゲーム、画像編集はグラフィックカードの性能によってクオリティや処理時間が大幅に変わってきます。
そこで、これらを踏まえたYes/Noのツリー図を作成してみましたので、迷っている方は一度トライしてみて下さい。

まとめ
今回はノートパソコンとデスクトップパソコンの違い、それぞれのメリット、デメリットと、選択する上でのポイントを解説致しました。
まず、「設置場所が無い」「持ち運びする」ならノートパソコン一択です。
そうでなければ、デスクトップを選べばよいかと思います。
また、3Dゲームや動画編集を思い切り楽しみたい方はグラフィックカードの性能が重要になります。
その場合は、NVIDIA製グラフィックカードを搭載(又は内蔵)している製品を選びましょう。
今回の記事が皆様のパソコン購入に役立てば幸いです。