Intel Celeron N3350 は3万以下の低価格PCに使われているCPUです。
Celeron N4000 や N4020 と並んで人気のあるCPUであり、最近発売された低価格ノートPCにもよく採用されています。
果たしてIntel Celeron N3350 搭載ノートPCはコストパフォーマンスが高いのか、それとも手をだすべきではないのか、知りたい方はこの記事をご一読下さい。
Intel Celeron N3350 とは
Celeron N3350は、2016年の第三四半期に発売されており、第7世代のCore-i シリーズと同じ発売時になります。
また、グラフィック機能は、N4000より1世代古い「UHD グラフィックス 500」と呼ばれるビデオチップを搭載しています。
Celeron N3350 の基本スペックは次の通りです。
CPU | コア数:2 スレッド数:2 |
基本クロック | 標準:1.1GHz 最大ブースト時: 2.4GHz |
グラフィック | UHD グラフィックス 500 |
Celeron N3350 は 第2世代のINTEL Core-i3 並み
ベンチマークテストで計測したCPUとGPUのスコアを比較すると、 Celeron N3500 CPU性能は第3世代のCore-i3と同等で、グラフィック性能は 第2世代Core-i3 より1.5倍優れています。
つまり、2011年に発売された第2世代のCore-i3と同等と考えてよいでしょう。
性能的にはかなり低い部類になるため、一般的な事務作業であれば何とか使えるレベルだと思われます。
例えば、以下の用途が想定されます。
- ワード、エクセル、パワーポイントなどの文書作成
- メールの送受信
- ウェブサイトの閲覧
- 人事や会計ソフトなどの事務処理アプリの利用程度
- PythonやRuby,PHP、C#やJavaなどのプログラミングの学習
- 趣味や仕事で使うちょっとしたプログラムの開発
下記の作業を考えるならストレスを覚悟するか、もう少し性能の高いノートPCを検討した方が良さそうです。
- Zoomによるテレビ会議
- 十数分程度のフルハイビジョン画質の簡単な動画編集(カット、結合など)
- デジタル一眼レフカメラで撮影した生データの現像
- フォトレタッチ
もちろん、PCの性能(サクサク感)はCPUだけでなく、メモリ容量や内蔵ストレージの性能で大きく変わります。
しかし、多くの低価格ノートPCはメモリが4GB程度、ストレージは64GB程度しかなく、おまけに交換や増設が不可な場合が多い為、低いCPU性能に対して更に足を引っ張る結果になりがちです。
このCPUを搭載しているノートPCを検討される場合、その点をよく考えて決めましょう。
ベンチマークで性能を比較
結論を先に描きましたが、ここからはその理由について簡単に解説しておきます。
下記一覧は、 Celeron N3350 のCPUスコア(PassMark)を中心に、その前後のスコアを持つCPUを表にしたものですが、参考値としてGPUのスコア(Fire Strike)も掲載しています。
製品 | CPU スコア | コア 数 | スレッド 数 | クロック数 (定格~最大) | グラフィック | GPU スコア |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i3 10110U | 4213 | 2 | 4 | 2.1GHz~ 4.1GHz | Intel UHD Graphics (第10世代) | 1428 |
Core i5 7200U | 3359 | 2 | 4 | 2.5GHz ~ 3.1GHz | Intel HD Graphics 620 | 808 |
Core i5 6200U | 3034 | 2 | 4 | 2.3GHz ~ 2.8GHz | Intel HD Graphics 520 | 707 |
Core i3 7100U | 2774 | 2 | 4 | 2.4GHz | Intel HD Graphics 620 | 808 |
AMD 3020e | 2727 | 2 | 2 | 1.2GHz ~ 2.6GHz | Radion RX Vega 3 | 1260 |
Core i7 5500U | 2705 | 2 | 4 | 2.4GHz ~ 3.0GHz | Intel HD Graphics 5500 | 594 |
Core i3 4100M | 2493 | 2 | 4 | 2.5GHz | Intel HD Graphics 4600 | 553 |
Core i3 3110M | 1613 | 2 | 4 | 2.4GHz | Intel HD Graphics 4000 | 411 |
Core i3 2310M | 1121 | 2 | 4 | 2.1GHz | Intel HD Graphics 3000 | 198 |
Celeron 3350 | 1113 | 2 | 2 | 1.1GHz ~ 2.4GHz | Intel HD Graphics 500 | 271 |
Celeron N3550 は2016年に発売された少し古いCPUであり、第2世代の Core-i3 の性能しかありません。
Excelやワードなどのオフィス製品、ネットサーフィン、YouTubeやNetFlixなどの動画鑑賞などの用途では何とか使えるレベルです。
一方、グラフィック性能は第2世代のCore-i3 よりは1.5倍程度優れてはいるものの、インテル製CPUの中でもかなり低い方なので、あまり期待は出来ません。
ゲーム用途には全く向いていないため、2Dの軽いゲーム以外は考えない方が無難です。
まとめ
今回は Celeron N3550 の性能について、ネットで公表されているベンチーマークを用いてCore-iシリーズと比較してみました。
このCPUを搭載したノートPCでは、軽い事務作業以外は出来ないと割り切った方が良いでしょう。
3万円出してこのCPUを搭載したノートを購入するのであれば、もう少し頑張って1ランク上の製品を買った方が幸せになれると思います。
この記事が、皆さんのPC購入の参考になれば幸いです。
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