2万~3万円台の低価格PCでは、そのCPUに Intel Celeron N4020 が数多く搭載されています。
2019年に登場した Celeron N4020 は、少し古いアーキティクチャを採用することで価格を抑えたCPUに仕上がっています。
Intel Celeron N4020 搭載のノートPCはコストパフォーマンスに優れているのか、どの程度の性能を持っているのか、気になる方はこの記事をご一読下さい。
Intel Celeron N4020 とは
2019年に登場した Celeron N4020は、同時期に発売された Celeron N4120 の廉価版であり、2017年に登場した Celeron N4000 の後継製品という位置づけになります。
グラフィック機能は、N4000、N4120と同様の「UHD グラフィックス 600」と呼ばれるグラフィック機能が統合されており、Core-i シリーズでは9世代目の発売時期に重なります。
Celeron N4020 の基本スペックは次の通りです。
CPU | コア数:2 スレッド数:2 |
基本クロック | 標準:1.1GHz 最大ブースト時: 2.6GHz |
グラフィック | UHD グラフィックス 600 (300MHz コア12基) |
Celeron N4020 は 第3世代のINTEL Core-i3 並み
ベンチマークテストで計測したCPUとGPUのスコアを比較すると、 Celeron N4020 は
2012年に発売されたCore-i3より僅かにリードはしますが、グラフィック性能(GPU)はほぼ互角であるため、CPU性能、GPU性能とも Core-i3(3世代)とほぼ互角だと考えられます。
性能は高いとは言えませんが、それでも一般的な事務作業で使うには十分な性能を持っています。
例えば
- ワード、エクセル、パワーポイントなどの文書作成
- メールの送受信
- ウェブサイトの閲覧
- 人事や会計ソフトなどの事務処理アプリの利用程度
- PythonやRuby,PHP、C#やJavaなどのプログラミングの学習
- 趣味や仕事で使うちょっとしたプログラムの開発
は普通に行えるレベルです。
動作が重いと感じるかもしれませんが、下記の作業も何とか使えるでしょう。
- Zoomによるテレビ会議
- 十数分程度のフルハイビジョン画質の簡単な動画編集(カット、結合など)
- デジタル一眼レフカメラで撮影した生データの現像
- フォトレタッチ
1つ注意点としては、PCの性能(サクサク感)はCPUの性能以外に、メモリ容量や内蔵ストレージの性能に大きく関わってきます。
最近のノートPC、特に低価格製品はメモリやストレージの増設が出来ない場合が多く、このCPUを搭載した低価格PCを検討されるのであれば、予算が許す限りメモリは8GB以上、内蔵ストレージはSSDの128GB以上の製品を選ぶことをお勧めします。
ベンチマークで性能を比較
結論を先に描きましたが、ここからはその根拠について説明しておきます。
まず下記は、 Celeron N4020 のCPUスコア(PassMark)を中心に、その前後のスコアを持つCPUを一覧にしたものです。
製品 | CPU スコア | コア 数 | スレッド 数 | クロック数 (定格~最大) | グラフィック | GPU スコア |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i3 10110U | 4213 | 2 | 4 | 2.1GHz~ 4.1GHz | Intel UHD Graphics (第10世代) | 1428 |
Core i5 7200U | 3359 | 2 | 4 | 2.5GHz ~ 3.1GHz | Intel HD Graphics 620 | 808 |
Core i5 6200U | 3034 | 2 | 4 | 2.3GHz ~ 2.8GHz | Intel HD Graphics 520 | 707 |
Core i3 7100U | 2774 | 2 | 4 | 2.4GHz | Intel HD Graphics 620 | 808 |
AMD 3020e | 2727 | 2 | 2 | 1.2GHz ~ 2.6GHz | Radion RX Vega 3 | 1260 |
Core i7 5500U | 2705 | 2 | 4 | 2.4GHz ~ 3.0GHz | Intel HD Graphics 5500 | 594 |
Core i3 7020U | 2601 | 2 | 4 | 2.3GHz | Intel HD Graphics 620 | 808 |
Core i3 4100M | 2493 | 2 | 4 | 2.5GHz | Intel HD Graphics 4600 | 553 |
Celeron 4020 | 1820 | 2 | 2 | 1.1GHz ~ 2.8GHz | Intel HD Graphics 600 | 391 |
Core i3 3110M | 1613 | 2 | 4 | 2.4GHz | Intel HD Graphics 4000 | 411 |
Celeron N4020 は2019年の10月に発売された比較的新しいCPUではありますが、古いアーキティクチャを採用しているため、第3シリーズのCore-i3の性能に抑えられています。
それでも、そこそこの性能は持っているので、オフィスやWeb閲覧、YouTubeやNetFlixなどの動画鑑賞であれば、全く問題はありません。
但し、動画再生などはCPU負荷が100%に達したままになることも多く、動画を見ながらWeb閲覧をしたり、Meetでテレビ会議中にExcelやワードで文書を編集するようなケースでは、極端に動作が重くなることが予想されます。
Celeron N4020 のグラフィック性能はインテル製CPUの中でもかなり低く、第3世代のCore-i3とほぼ同じです。
ゲーム用途には向いていませんが、ドラゴンクエストなどの軽いゲームであれば、設定を変更することで楽しめると思います。
まとめ
今回は Celeron N4020 の性能について、ネットで公表されているベンチーマークをもとにCore-iシリーズと比較してみました。
また、このCPUを搭載したノートPCでこなせる作業についても軽く触れました。
Celeron N4000の後継製品とはいうものの性能的にはほとんど変わっておらず、どちらを選んでも大した差はありません。
N4000と同様、文書作成やちょっとしたプログラム開発程度では普通に使えますが、2万円台のノートPCはそもそもメモリ4GB、ストレージ eMMC 64GB の製品が大半であるため、メイン機として使うことは厳しそうです。
この記事が、皆さんのPC購入の参考になれば幸いです。
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