Celeron N5105 は 2021年の4月以降に発売された5万円~7万円台のノートPC、並びに超小型PC(UMPC)に搭載されているCPUであり、Celeron N5100の兄弟にあたります。
2024年2月時点において、Amazonや楽天などの通販でかなりのラインアップが販売されています。
この Celeron N5105 搭載PCを検討されている方は、是非この記事をご一読下さい。
Celeron N5105とは
Celeron N5105 は、2021年の第1四半期に発売された省電力CPUで、 第11世代のCore-i シリーズと同じ時期に登場しました。
N4500の上位製品という位置付けとなっており、コア数が2コアから4コアに引き上げられています。
プロセスルールは 第9世代と同じく10nm が採用されており、グラフィック機能は第10世代の「INTEL UHD Graphics」を搭載している点も N4500と同様です。
姉妹品の Celeron N5100 と N5105 の違いは、基本クロックを 1.1GHz~2.0GHz に引き上げた点で、これに伴いTDPも6Wから10Wに増加しています。
Celeron N5100 の基本スペックは次の通りです。
CPU | コア数:4 スレッド数:4 |
---|---|
基本クロック | 2.0GHz ~ 2.9GHz |
グラフィック | Intel UHD Graphics 610 |
TDP | 10W |
プロセスルール | 10nm |
最大メモリサイズ | 16GB(DDR4) |
Celeron N5105 は Core-i5 第11世代と同程度
ベンチマークテストで計測したCPUとGPUのスコアを見ると、 Celeron N5105 の CPU性能は第7世代のCore-i5 と同等であり、グラフィック性能は 第10世代のCore-i5と同等の性能を持っています。
N5100のスコアが 3304 だったことを考えると、約20%性能が向上したことになります。
一方グラフィック性能は 10世代 Core-i シリーズと同等の性能を持っていますので、一般的な事務用途では全く問題ないでしょう。
CPUの性能は比較的高いため、一般的な事務作業であれば問題無く使えるでしょう。
例えば、以下の作業ならCPUパワー的には十分な性能を発揮してくれます。
- ワード、エクセル、パワーポイントなどの文書作成
- メールの送受信
- ウェブサイトの閲覧
- 人事や会計ソフトなどの事務処理アプリの利用程度
- PythonやRuby,PHP、C#やJavaなどのプログラミングの学習
- 趣味や仕事で使うちょっとしたプログラムの開発
多少重いと感じる時があるかもしれませんが、下記の用途でも十分に利用可能です。
- Zoomによるテレビ会議
- 十数分程度のフルハイビジョン画質の簡単な動画編集(カット、結合など)
- デジタル一眼レフカメラで撮影した生データの現像
- フォトレタッチ
ただし、PCの性能(サクサク感)はCPUの性能だけで決まるわけではなく、メモリ容量や内蔵ストレージ性能(容量、速度)によって大きく体感が変わります。
このPCを搭載しているノートPCを検討されている方は、その点も考慮してください。
このCPUが搭載されているノートPCの傾向
2024年2月において、 Amazonでは Celeron N5105 を搭載したノートPCは20台以上、、超小型PC(UMPC)は50台以上見つかりました。
補足 項目 | スペック |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチFHD(1920x1080) |
メモリ/SSD | 16GB/128GB SSD |
OS | Windows11 |
重量 | 2.15Kg |
価格 | 4.5万円前後 |
補足 項目 | スペック |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチFHD(1920x1080) 7インチHD(1280x800) |
メモリ/SSD | 16GB / 512GB SSD |
OS | Windows11 |
重量 | 2.23kg |
価格 | 6万円前後 |
補足 項目 | スペック |
---|---|
画面サイズ | -------------------------------- |
メモリ/SSD | 8GB / 256GB SSD |
OS | Windows 11 |
重量 | 不明 |
価格 | 3万円前後 |
現時点では、ノートPCよりも超小型PC(UMPC)にCeleron N5105が数多く採用されています。
Celeron N5100の製品と比べて、Celeron N5105 搭載機種は価格が低めに設定されているため、コストパフォーマンスは改善されています。
しかし、同じ予算であれば INTEL N100 搭載機種も視野に入ってくるため、同じ値段であれば N100搭載機種を買いたいところです。
Celeron N5105が優れている点はほとんど価格といって良いので、型落ち品で安売りしている場合のみ、購入を検討した方が良さそうです。
ベンチマークで性能を比較
下記の表は、Celeron N5105 のベンチーマーク性能(CPU:PassMark、GPU:FireStrike) を、モバイル版 Core-i5の世代別と比較したものになります。尚、参考までに 姉妹品であるN100、N200とも比較しています。
CPU名称 | PassMark | GPU | FireStrike | コア数 | スレッド数 | TDP | 定格クロック | 最大クロック |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i5 9400 | 9,482 | Intel HD Graphics 630 | 1139 | 6 | 6 | 65 | 2.9GHz | 4.1GHz |
Core i5 1035G1 | 7450 | Intel UHD Graphics | 1428 | 4 | 8 | 15W | 1.2GHz | 3.7GHz |
Core i5 8350U | 6507 | Intel UHD Graphics 620 | 990 | 4 | 8 | 15W | 1.7GHz | 3.6GHz |
INTEL N200 | 5669 | Intel UHD Graphics Xe 750 32EUs | 2110 | 4 | 4 | 6W | 1.80GHz | 3.7GHz |
INTEL N100 | 5640 | Intel UHD Graphics Xe 24EUs | 1106 | 4 | 4 | 6W | 1.80 GHz | 3.20 GHz |
Celeron N5105 | 4061 | Intel UHD Graphics | 1428 | 4 | 4 | 10W | 2GHz | 2.9GHz |
Core i5 7200U | 3359 | Intel HD Graphics 620 | 808 | 2 | 4 | 15W | 2.5GHz | 3.1GHz |
Core i5 6300U | 3277 | Intel HD Graphics 520 | 707 | 2 | 4 | 15W | 2.4GHz | 3.0GHz |
Core i5 5200U | 2560 | Intel HD Graphics 5500 | 594 | 2 | 4 | 15W | 2.2GHz | 2.7GHz |
Celeron N5105 は第10世代のCore-iシリーズと同性能の「INTEL UHD Graphics」というビデオチップを搭載しており、ミドルクラスのグラフィック性能が必要なゲームは不可能ですが、軽めの3Dゲームであれば画質設定を調整することで、楽しむことが出来そうです。
まとめ
今回は Celeron N5105 の性能について、ネットで公表されているベンチーマークをもとに Core-i5の世代と比較し、どの世代に相当するかを検証してみました。
価格COMやAmazonで流通している、おおむね5~7万円程度のノートPCや3~5万円前後の超小型PC(UMPC)に搭載されています。
メインPCとして使える性能ではあるものの、コストパフォーマンスはそれほど良いとは言えません。型落ち製品が安く出売られている場合のみ、購入を検討した方が良いと思われます。
この記事が、皆さんのPC購入の参考になれば幸いです。
コメント