【よく分かる】自然言語処理(NLP)とは?

AI入門
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ChatGPTやBing AI、Google Bard などの文書生成が脚光を浴びたことで、そのベースとして使われている「自然言語処理」が注目されています。

しかし、「自然言語処理」と言われても、なんかよく分からないという人も多いはず。

ということで、今回は「自然言語処理」について、出来るだけ分かり易いように解説しました。

「自然言語処理」に興味のある方は、是非ご一読ください。

自然言語処理とは

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自然言語処理(Natural Language Processing, NLP)とは、人間が使う自然言語(日本語や英語など)をコンピューターで処理する技術のことです。人工知能の一分野であり、コンピューターが自然言語を理解し、自然言語を用いた情報処理を行うための技術として注目されています。

自然言語処理の歴史

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自然言語処理の歴史は古く、1950年代に研究が始まっています。当初は機械翻訳の研究が主流でしたが、コンピュータそのものの性能も低く、満足な結果は得られていませんでした。その後、言語理解や自動要約、感情分析、音声認識などに研究が広がっていきました。

しかし、自然言語処理には多くの問題があり、特に人間の言語は曖昧さが多く、使われる状況や文化、背景によって意味が異なるなどの理由から、長い間、研究が停滞していました。

近年、コンピュータの著しい処理能力向上と、深層学習(ディープラーニング)技術の発展により、自然言語処理の研究が急速に進展し、言語処理の精度が大幅に向上しています。

今後は、より高度な自然言語処理の実現に向けた研究が進み、急激に進化していくのではないかと期待されています。

自然言語処理の主要技術一覧

自然言語処理の技術に関するイメージ図

自然言語処理は、主に以下の技術が使われています。

技術内容
形態素解析自然言語を単語や品詞に分割する処理。
「私は猫が好きです」という文を形態素解析すると、「私」「は」「猫」「が」「好き」「です」
という単語に分割される。
構文解析文章の文法的な構造を解析する処理。
「私は猫が好きです」という文を構文解析すると、「私は」「猫が好きです」という2つの文節に分割される。
意味解析自然言語の意味を理解する処理。
「猫が好きです」という文が「私が猫が好きです」という文と同じ意味であることを理解する。
語彙意味処理単語の意味や語彙の意味を理解する処理。
「犬」という単語が「動物」や「ペット」という意味を持つことを理解する。
文章生成機械が自然言語を生成する処理。
「明日は晴れるでしょう」という文を生成する。

自然言語処理の活用分野

活用分野のイメージ図

実際には、これらの技術を組み合わせ、さまざまな分野で自然言語処理が活用されています。主な活用分野は次の通りです。

活用分野概要活用の具体例
機械翻訳ある言語で書かれた文章を、自動的に他の言語
の文章に翻訳する
Google翻訳、DeepLなど
質問応答自然言語で質問をすることで、適切な回答を
返す
Siri、Googleアシスタント、アレクサ
チャットボットなど
テキストマイニング大量のテキストデータから有用な情報を
自動的に抽出する
Twitterのトレンド分析など
自動要約長い文章を要約し、簡潔な文章にまとめるSmmryGistiaなど
感情分析テキストデータに含まれる感情を分析するマーケティング、カスタマーサポート
など
自動作文人間が書いた文章のスタイルや文法を模倣し、
自動生成する
ニュース記事、自動作文、ChatGPT
BingAIなど

自然言語処理の技術は、現在急速に発展しており、人間とコンピューターのコミュニケーションをよりスムーズにすることが期待されています。

例えば、AIアシスタントやスマートスピーカーなど、身の回りのデバイスでの利用が増えているほか、医療分野や法律分野、金融分野など、様々な分野での応用が進んでいます。

自然言語処理の実現方法

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自然言語処理を実現するには、大きく3通りの方法があります。

このうち、特に最近脚光を浴びているのが「深層学習手法」を使った方法で、ChatGPT、Bing AI、Google Bard はこれらの技術を使うことで、高精度な会話を実現しています。

手法の種類内容
ルールベース手法人手で作成したルールや辞書を用いて自然言語処理を行う方法。
形態素解析や構文解析などに使用される。
統計的手法大量のテキストデータを学習して、その結果から自然言語処理を行う方法。
機械翻訳や感情分析などに使用される。
深層学習手法ニューラルネットワークを用いて自然言語処理を行う方法。
機械翻訳や文章生成などのタスクに優れた性能を発揮する。統計的手法の一種。

自然言語処理の課題

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自然言語処理の分野はまだまだ発展途上であり、解決すべき課題も多く存在します。

例えば、日本語や英語など、一部の言語にしか対応していないことや、人間の言語能力には曖昧さや文脈依存性(使われる状況や文化、背景によって意味が変化すること)があることなどが挙げられます。

今後も、自然言語処理の分野には注目が集まり、より高度な技術の開発が進んでいくことが期待されています。

自然言語処理の今後

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自然言語処理の今後について、5点を挙げてみました。

複数言語間の自動翻訳の精度の向上

現在の自動翻訳の精度はまだ限定的であり、特に言語間の表現の差異に対応することが困難です。今後、深層学習更に発展させることで、多言語間の翻訳の精度が向上すると期待されています。

複数文書からの知識獲得の高度化

自然言語処理を用いることで、膨大な量のテキストデータから知識を獲得することが可能になっています。今後、より高度な自然言語処理技術を用いることで、複数文書からの知識獲得の精度が向上すると期待されています。

人間との自然な対話システムの実現

自然言語処理を用いた人工知能が、人間との自然な対話を行うことができるようになると、様々な分野での応用が期待されます。例えば、医療や教育分野での利用が考えられます。

自然言語処理技術と他の技術との融合

自然言語処理技術を、音声認識や画像認識などの他の技術と組み合わせることで、より高度な応用が可能になります。例えば、自然言語処理を用いた音声アシスタントや、画像認識との組み合わせによる自然言語による画像検索などが期待されます。

まとめ

自然言語処理は、人間が使う自然言語をコンピュータで処理するための技術のことで、近年のコンピュータの進化と深層学習の研究により、急速に発展してきました。

Siri、Googleアシスタント、アレクサなどの音声応答や、各種サービスや製品問い合わせでよく目にするチャットポッド、更にはChatGPTやBing AI、Google Bardなどの文書生成のベース技術になっており、我々の生活で幅広く活用されています

人間が使う言語には曖昧さがあり、まだまだ発展途上ではありますが、近い将来、SF映画のようにAIと日常会話する時代も訪れることでしょう。

今後どうなっていくが楽しみですね。

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