検索エンジンとしてGoogleに大きく後れをとっていたMicrosoftの Bing ですが、ChatGPTの技術を手に巻き返しを図ろうとしています。
2023年2月7日に ChatGPTをパワーアップさせた検索エンジン「Bing AI」を発表し、2023年2月8日からプレビュー版での利用可能になっています。
2月18日現在、Bing AI を使用するには waitlist(順番待ちリスト)に参加する必要がありますが、手続きから2日程度で使えるようになります。
おそらく一般公開後はChatGPTに並ぶか、それを超える人気になると思いますので、順番待ちリストに参加してから、実際に使えるようになるまでの手順を公開したいと思います。
Bing AIが使えるようになるまでの概要
現時点ではプレビュー版ということで、ChatGPTに比べて少々に面倒です。
Bingのサイトに移動後、BingDefaults.exe を入手し、それをインストールすると共に、スマホにもスマホ版Bingをインストール&ログインする必要があります。
この操作によって、順番待ちリストに参加できるのですが、そのあと数日程度で利用可能になります。私の場合は2/16に申請して、2/18に使えるようになりました

順番待ちリスト登録手順
まずはBingの公式サイトのリンクを貼っておきます。

それでは、手順を1つづつ紹介してきましょう。
パソコンでの操作
Bing の公式サイトに移動したら、「順番待ちリストに参加する」をクリックします。

すると次の画面が表示されます。「Microsoft の既定値」のリンクをクリックすると、BingDefaults.exe というプログラムがダウンロードされます。

ダウンロードが完了したら、これを実行します。インストールは非常に簡単で、最初に表示される「続行」をクリックするだけです。

スマホでの操作
次はスマホ側での操作です。画面に表示されているQRコードを読んでも良いのですが、Google Play もしくは Apple Store から ”bing” で検索してもOKです。
見つかったら、インストールしましょう。

次にBingを起動し、マイクロソフトアカウントでログインします。

尚、スマホ版のBing をインストールしたからと言って、スマホからチャットが使えるわけではありません。
2023年2月18日現在は、まだスマホ版が正式サポートされていませんので、ご注意ください。現時点でこの操作は、あくまでも儀式みたいなものです。
「順番待ちリスト登録」と「利用可能」通知メール
スマホの操作が終わったら、マイクロソフトアカウントに次のメールが届きます。これで順番待ちリストへの登録は完了です。

2日後くらいに、次のメールが届きます。これは利用可能を知らせるメールになります。

BingへのログインとBing AIの使い方
利用可能の通知メールが届いたら、Bingの公式サイトに移動します。すると、画面上のメニューに「チャット」という項目が表示されているはずです。
この画面から、AIを呼び出すには大きく2通りあります。
チャットのリンクでAIを呼び出す
これをクリックすることで、Bing AIのチャット画面に移動できます。これが一番簡単な方法です。

検索した延長上でAIを呼び出す
検索窓に直接質問を入れると従来通りの検索が行われます。この時、画面右端の「さらに表示」をクリックすると、入力した質問に対するAIの回答が、画面右に表示されます。

さらにAIとチャットした場合は、「さらに表示」をクリックし、一番下までスクロールすると表示される「チャットしましょう」をクリックすることで、チャット画面に移動できます。

Bing AIの画面構成
Bing AIは大きく4つのパートに分かれています。
- チャットとの会話を表示する部分
- サジェスト機能(よくある質問)
- 回答に用いたサイトの情報
- 質問を入力する検索窓
このうち、サジェスト機能と回答に用いたサイトの情報は、ChatGPTには無い機能です。

実際の会話
私はSF映画が好きなので、その質問をしてみました。ChatGPTと同じように日本語の正しい文章で回答が表示されています。

チャットGPTは、ある時点(例えば、2021年9月)におけるWeb上のテキストデータを学習して答えを作っているため、それ以降の情報を使った回答は苦手です。

しかし、Bing AI は検索エンジンと融合しているため、最新の情報を検索し、それを織り交ぜて回答してくれます。
100%正しい答えが出せないのはチャットGTPと同じですが、ネットで公開されている最新情報と併せて回答してくれる点や、回答の出どころのサイト情報を教えてくれるところはチャットGPTより使い勝手が向上しそうです。
間違った答えに対するBingAIの反応
チャットGPTと同様、BingAIも間違います。下記はチャットGPTが採用している言語モデル「GPT-3」と、BingAIが採用している「GPT-4」について、学習データとパラメータがどれくらい増えたかを質問した結果です。
BingAIは、チャットGPTのパラメータを20億個であると回答していますが、私が「1470億個の間違いではないか」と指摘したところ、「1750億個です」と訂正してきました。
1470億個という数字は、私が間違って指摘したものですが、その指摘をきっかけに再度ウエブから答えを探し、正解値である1750億個にたどり着いたようです。

トピックの制限
BingAIと会話しているうちに、以下の英語メッセージが表示されて、それ以上会話ができなくなりました。
Thanks for this conversation! I’ve reached my limit, will you hit “New topic,” please?
Oops, I think we’ve reached the end of this conversation. Click “New topic,” if you would!
同じ内容の質問を重ねると怒られるみたいで、どうやら「1つの質問に対して1つの回答」がルールのようです。

You’re welcome. I’m glad you enjoyed our conversation. 😊
There is no limit to how many questions you can ask me, but I can only give one reply for each conversation turn. If you want to start a new topic, you can just type it in the chat box and I will try to help you.

左端のボタンをクリックすると、新しいトピックが開始できます。

1日の質問回数の条件
質問回数ははっきり覚えていませんが、、20個~30個くらい質問をしたら、以下のメッセージが表示され、それ以上質問ができなくなりました。
プレビュー版ということで、回数制限が設けられているようです。
詳しくは、こちらの記事に記載されていますが、質問と回答を1つのターンとして、1日50ターンが上限とのことです。
理由は多くの人に広く使ってもらうためかと思いきや、別の記事に「ユーザーとやりとりするうちにBingの口調がおかしくなり、暴言を吐くようになった」ことが原因と書かれていました。

まとめ
今回は、まだプレビュー期間中とはいうものの、ChatGPTを超えると期待されているBing AIについて、
- 順番待ちリストへの登録~使えるようになるまでの一連の手順
- Bing AI の呼び出し方と使い方
- 実際に使って会話した内容
について紹介しました。
ChatGPTに比べて日本語化されており、ChatGPTより気軽に使え、且つ検索エンジンとうまく融合した使い方ができそうで、正式リリースが待ち遠しいです。
この記事に興味を持たれた方は、是非順番待ちリストに参加して、使ってみてください。