【嘘を見破る】中卒でプログラマーはお勧めしない5つの理由

コラム
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最近、「中卒」「プログラマー」というキーワードで検索されるケースが目立ってきたので、このキーワードでどんな記事が書かれているのか調べました。

ヒットする記事の中には、安易な考えでプログラマーを勧めたり、「あきらかに嘘だろう」と思う体験記事が目につきましたので、20年以上に渡りIT業界でプログラマー、人材教育、システムエンジニアを務めた経験をまじえて、真実をお話しようと思います。

お勧めしない5つの理由

それでは、なぜ中卒でプログラマーはお勧めしないのかという理由について、順を追って1つづつ解説してきます。

中卒は、それだけでハンディとなる

文部科学省が公表した「高等学校教育の現状」によると令和2年における高校進学率は98.8%となりました。

つまり、中卒は1.2%しかいないのです。

このようにほとんどが高校に進学する現状において、中卒で就職するという場合、特別な事情が無い限り色眼鏡で見られることとなります。

例えば、

  • 嫌なことがあったら、逃げ出すのではないか
  • 努力が継続できないのではないか
  • 物事を考える視野が狭いのではないか

という風に見られて敬遠されてしまいがちです。

中卒の魅力は「若さ」であり、「将来の伸び代ろ」なのですが、「若さ」に関しては高卒とそれほど変わらず、「伸び代ろ」については上記の様なマイナスイメージが付きまとうため、採用する側からしてわざわざ中卒を採用するメリットがありません。

このような状況の中、就職先を探さねばならず、これが大きなハンディとなります。

学歴と給料が比例するのはIT業界も同じ

労働政策研究・研修機構が、厚生労働省「就労条件総合調査」(2018 年)の結果をもとに学歴別生涯根賃を発表しています。

出展:ユースフル労働統計 2019

日本において学歴による生涯賃金の差は明白であり、「実力主義」と言われるIT業界も例外ではありません。

グラフでは四捨五入しているため差は1千万円になりますが、実際は中卒で2.39億円、高卒で2.54億円になるため、1千5百万円の差があります。

公立高校3年間の学費が約140万、私立高校3年間の学費が約290万円であることを考慮し、且つ高卒に比べて3年間で得られる労働賃金を計算に入れても、1千万円の差は覚悟しなければなりません。

つまり、金銭的メリットは全く無いのです。

プログラミング能力は教養の上に成り立つ

一般的なプログラミングにおいては、もちろん数学はそれほど必要としません。

中学で学んだ数学の知識だけで十分です。

じゃあ、プログラミング言語を覚えればプログラマーになれるのかと言われると、答えはノーです。

これは他のサイトの記事ではほとんど触れられていませんが、プログラミングは「実現したいことを手順化し、プログラミング言語を使って記述する論理的思考力」が必要です。

また、それと同じくらい「実現したいことに関する一般的あるいは専門的な知識」も必要になります。

車の運転に例えると、プログラミングは単に車を運転するという行為でしかなく、実際の公道を走るには、道路標識や交通ルールを理解し、目的地に行くためのルートを把握しておく必要があります。

この道路標識や交通ルールは教習所に通って習うことになりますが、その授業を理解するためには最低限の常識、つまり最低限の教養が必要となります。

プログラマーは何らかのシステムを作るのが仕事ですから、そのシステムがどんな存在で、どうあるべきかを理解することが不可欠で、教養が多いほど作れるものの幅が広がります。

無論、だれでも社会人になって1から勉強することにはなりますが、知識を吸収する速度は持っている教養によって大きく変わるのです。

学歴不問はブラック企業の温床

IT業界は「学歴不問」と書かれている記事をよく目にしますが、決してそんなことはありません。

大手企業は大卒以上の求人がほとんどですし、中小企業の場合は専門学校~大卒が求人対象となります。

高卒ともなると十人~数十人の小規模なソフトウェアハウスの求人しか見つからないでしょう。

中卒の場合は、高卒を対象としているソフトウェアハウスに何とか滑り込むことになります。

問題は、小規模なソフトウェアにブラックが多いことです。

無論、良い会社もたくさんありますし、大企業であってもブラックな企業も存在します。

しかし、ブラック企業が潜んでいるのは圧倒的に小規模なソフトウェアハウスです。

システム開発は小さなものでも数百万、一般的には数千万~数億円程度の費用が掛かります。

従って、システム開発を発注するのはある程度の売り上げ規模を持つ企業です。

そのような企業は安心感を優先して大手のIT企業に発注する傾向があります。

大手のIT企業は自社で開発せず、単価の安い中小のIT企業に発注することでコストダウンを図り、そこから更に小さなソフトウェアハウスに仕事が流れます。

この様に、小規模ソフトウェアハウスは孫請け、ひ孫受けの仕事しか得られず、必然的にそこで働く社員の給料は低くなります。

また、小規模ソフトウェアは新入社員に対しても教育を行うだけの財力が無いため、即収入が得られる「準委任契約」により、自社社員を依頼先の企業に常駐させるケースがほとんどです。

そして、常駐先によっては劣悪な環境下で労働させたれたり、教育と称して残業が支払われないなどの問題が往々にして発生します。

フリーランスで成功するのは一握り

「中卒でも実力を付けてフリーランスになれば高収入が得られる」なんて煽る記事もよく目にしますが、これは大きな間違いです。

そんなに簡単にフリーランスで稼げるのなら、みんなやってます。

正直言ってプログラマーの収入は一般的な業種に比べて少し高い程度です。

そして、フリーランスになって高収入が得られるのは、その中のごく一握りの数パーセント程度でしょう。

世の中には実力のある人はたくさんいますし、代わりになる人もたくさんいます。

あなたに人より抜きんでて技術力があり、且つその仕事を代わりにする人がいないか、あなたに発注することでコストがかなり安くなるなど、なにがしかの理由が無いとフリーランスに発注はしません。

企業からすると、フリーランスを雇うということ自身にリスクがあります。

もしフリーランスとしてのあなたが万が一病気になったり、何らかの理由で働けなくなったら、それは誰がどう責任を取るのでしょう?

もしあなたのミスでシステムが納期に間に合わず、顧客から違約金を取られるとしたら、だれが肩代わりしてくれるのでしょう?

そういうリスクを考慮したうえで、本当に必要と思われる人しかフリーランス契約はしないのです。

また、フリーランスになったらなったで、社会保険や確定申告などを全て自分で行わなければならず、病気の際は収入がゼロになることも覚悟しなければなりません。

それでもプログラマーになりたい人へ

以上、ここまでお勧めしない理由を5つ述べさせていただきました。

それでもプログラマーをやりたいというのであれば、是非チャレンジしてください。

要するに、中卒でプログラマーになるのは、「生半可な気持ちだと難しいですよ」ということが言いたかったのです。

パン屋さんからプログラマーへ転職

これは私がかつて一緒に働いたプログラマーの話です。

理由は知りませんが、中学を卒業後パン屋さんに努めて数年後、プログラミングに興味を持ち、プログラマーになった人物が居ました。

仮にA君と言っておきましょう。

A君は、10名足らずのソフトウェアハウスから、私が勤める会社に「準委任契約」で常駐してきたプログラマーです。

最初からそこそこプログラミングの知識はあったようですが、実際に仕事をしていくうちひ、みるみる実力をつけ、1年足らずで優秀なプログラマーに育ちました。

ただ、彼がこぼしていたのは、給料に関することでした。

社長に交渉したら、「中卒で雇ってやっただけでも良かったと思え」と一蹴されたそうです。

A君の場合は、もうあと何年か経験を積めば、ワンランク上の会社に転職できたんだろうなと思います。

残念ながら私が担当するプロジェクトが終了し、また別のプロジェクトでしばらくは元気にプログラミングをしていたのですが、あるとき体調を崩してしまい、自社に戻っていきました。

中卒と言っても、やる気があれば優秀なプログラマーになれるのは間違いありません。

ただ、給与面でハンディがあるので、出来るだけ早く実力を付けてより良い条件で転職するというビジョンを持っておくべきでしょう。

少しでもプログラミングの実力を付ける

独学でも良いので、プログラミングを勉強してみてください。

もし、「面白い」と思えたら、大いに期待できます。

今は独学でお金もかからない勉強方法がたくさんあります。

Java、Ruby、Python、C#など、なんでも良いので1つの言語を身に着けて、何か動くものを作ってみてください。

そうすることで、面接でアピールできますし、面接官に好感度を持ってもらえます。

就職エージェントを活用することを、ためらわない

中卒の場合、就職先を探すのは本当に難しいです。

ましてIT関連の会社となると、見つけるだけでも時間がかかるでしょう。

高卒やフリーターであれば、いくつかエージェントがあります。

中卒でも可能かどうかは問い合わせてみないと何とも言えませんが、ダメ元で、やるだけやってみてください。

詳しい情報はこちらの記事に記載しています。

1社だけだと足らないので、出来れば複数社に登録しておくのが安心です。

本当に、中卒でIT企業を目指すのであれば、良くも悪くもエージェントを活用するしか方法がありませんので、是非積極的に問い合わせてみてください。

まとめ

今回は中卒でプログラマーになることがいかに大変か、いかに不利かについて解説しました。

もし事情が許すのであれば、是非高校に進学してください。

たとえ、それが通信制の高校でもOKです。

中卒と高卒では、就職先も生涯賃金も変わってきます。

特別な事情があるなら別ですが、そうでないなら高校を卒業してからプログラマーを目指しても遅くはないです。

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