前回の記事では、プログラミングをするために必要となる推奨スペックと機種選定のポイントについて紹介しました。
とはいえ、2023年1月において3000台以上の製品が販売されているため、そこから推奨スペックのノートPCを探し出すのは大変です。
そこで、推奨スペックを満たし、かつコストパフォーマンスにも優れるオススメのノートPCを選定してみました。
選定基準について
今回ご紹介するノートPCは、CPU性能及びグラフィック性能がいずれも10000を超えるものばかりです。
CPU性能は PassMarkというベンチマークソフトの結果を、グラフィック性能は Fire Strike というベンチマークソフトの結果を用いて評価しています。

また、メモリは8GB、ストレージは SSD 256GBを最低ラインとしています。
性能的には末長く使えるものばかりですので、あとは本体のサイズや重さ、デザインで選んでいただければと思います。

なお、最後に紹介するノートPCは、CPUに内蔵されているグラフィック機能ではなく、ゲーマー向けの高性能グラフィック専用チップ(Fire Strike の値は10000以上)を搭載したものを選定しています。

持ち運びを重視したノートPC(大学生にもオススメ)
持ち運びを前提とした場合、重量は1.3Kg以下、バッテリー駆動時間が9時間以上が1つの目安です。
その2点を満たした製品を2機種、選定してみました。
HP Pavilion Aero 13-be1000 スタンダードモデルG2 【S4】

CPUに AMD4世代 Ryzen5 5625Uを採用、Intel Core-i5 のワンランク上であるIntel Core-i7 に匹敵する計算能力を持っています。
この製品の発売時期は、2021年7月と少々古いものの、マイナーチェンジが積極的に行われており、CPUが Ryze 5 5600UからRyzen 5625U に更新されたことで、演算性能とバッテリ持続時間の向上が図られました。
この製品に搭載されている液晶は、13.3インチのWUXGA(1920X1200)が採用されており、縦方向のドット数がフルハイビジョンの1.1倍となっています。
また、M.2SSD 256GBという高速なストレージ、そしてメモリは8GBを搭載しながら、重さは何と0.957Kgという軽さです。
バッテリー駆動時間は公称10.5時間なので、通常の使い方なら外出先でバッテリー切れを心配することも少ないでしょう。
メモリ及びストレージの交換は出来ませんので、もう少しメモリ容量が欲しいという方は、購入時に大容量(メモリ16GB、ストレージ512G)のラインアップをお選びください。
型番 | HP Pavilion Aero 13-be1000 スタンダードモデルG2 【S4】 |
価格 | 109,000円~(キャンペーン適用時) |
メーカー | デル |
発売日 | 2022年 4月28日 |
スペック | 13.3WUXGA非光沢IPS液晶搭載(1920×1200) AMD Ryzen™ 5 5625U (6コア 12スレッド 2.3GHz~4.3GHz) AMD Radeon™ Graphics ストレージ:256GB M.2 PCIe NVMe SSD メモリ容量:8GB OS:Windows 10 Home 重量:0.957kg バッテリー稼働時間:11時間 内蔵カメラ:搭載 |
その他 | IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6)、 Bluetooth 5.2 メモリ及びストレージの交換不可 |
HP ENVY x360 13-bf0000TU スタンダードモデル 【S1】

CPUにINTEL 第12世代 の Core-i 5 1230Uを採用、全モデルよりも解像度の高いWQXGA(2560×1600)タッチパネル液晶を搭載。
液晶を360度回転させることで、タブレットとして利用することも可能。
ストレージも512GBのM.2SSDにアップグレードされています。
14s-fq1033AU とはスペック的には良く似ていますが、こちらは13.3インチのタッチパネル液晶が採用されており、重量も1.33Kgと軽量化され、バッテリー駆動時間が17時間と大幅にアップしています。
この製品もコストダウンのためメモリやストレージの交換は不可になっていますので、ご注意ください。
型番 | HP ENVY x360 13-bf0000TU スタンダードモデル 【S1】 |
価格 | 121,320円~(キャンペーン適用時) |
メーカー | HP |
発売日 | 2022年9月2日 |
スペック | 13.3インチワイド・WQXGA ブライトビュー(光沢)・IPSタッチ液晶(2560×1600) 第12世代 インテル® Core™ i5-1230U プロセッサー インテル® Iris® Xe グラフィックス M.2 SSD:512GB メモリ容量:8GB OS:Windows 11Home 重量:1.33kg バッテリー稼働時間:17時間 内蔵カメラ:有り |
その他 | タッチパネル液晶搭載 EEE802.11ax(Wi-Fi6)、Bluetooth 5.3 メモリ及びストレージの変更/増設は不可 |
日本HP 14s-fq1033AU ベーシックモデル S2

CPUにAMD第4世代 Ryzen 5 5625Uを採用、8GBのメモリ、M.2SSD 256GBのストレージを搭載したフルハイビジョン解像度の14インチノートPCです。
重さは1.33kgと持ち運びしやすく、9.5時間のバッテリー駆動が可能です。
メモリやストレージを後から交換/追加することは出来ませんが、プログラミングを含む普通の使い方でメモリやストレージが足らなくなることは、ほとんど無いでしょう。
基本構成はそのままに、CPUだけをワンランク引き下げた(Ryzen 5⇒ Ryzen 3) 廉価版が 74,800円~で販売されているので、より低価格の製品をお探しの方にはこちらをお勧めします。
Ryzen 3 の性能が十分高いので、CPUをワンランク下げたからと言って実用上困ることは無いと思います。
型番 | 14s-fq1033AU S2 |
価格 | 84,800円前後(キャンペーン適用) |
メーカー | HP |
発売日 | 2022年2月 |
スペック | 14インチフルハイビジョンIPS光沢液晶(1980×1080) AMAMD Ryzen™ 5 5625U(6コア 12スレッド 2.3GHz~4.3GHz) AMD Radeon™ Graphics ストレージ:M.2 SSD 256GB メモリ容量:8GB OS:Windows 11 Home 重量:1.33kg バッテリー稼働時間:9.5時間 内蔵カメラ:搭載 |
その他 | IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6)、 Bluetooth 5.2 メモリ及びストレージの変更/増設は不可 |
据え置き中心の軽量ノートPC
据え置きでの使い方が中心で、たまに外出先でも使いたい場合は、最低でも14インチ以上の液晶は欲しいところ。
また、外出先での利用を考慮すると、重量は1.5Kg以下、バッテリは7時間以上が選定ラインとなります。
DELL New Inspiron 14 AMD プレミアム
CPUに AMD4世代 Ryzen55625U を採用、ストレージは高速なM.2SSD 256GB、メモリも標準的な8GBを搭載、液晶は14インチ FHD+(1920×1200)の解像度となっています。
HP Pavilion Aero 13-beに比べて液晶が一回り大きいにもかかわらず、重さは1.54Kgに抑えられており、しかも価格は安く設定されているため、予算重視の方にはピッタリです。
裏ブタを開ける必要はありますが、メモリ及びストレージの交換が可能なところもポイントです。
型番 | Inspiron 14 AMD プレミアム (Inspiron 14 5425) |
価格 | 75,600円(キャンペーン適用時) |
メーカー | デル |
発売日 | 2022年 2月8日 |
スペック | 14.0インチフルハイビジョン(1920×1200)液晶搭載 AMD Ryzen™ 5 5625U(6コア 12スレッド 2.1GHz~4.0GHz) AMD Radeon™ Graphics ストレージ:256GB M.2 PCIe NVMe SSD メモリ容量:8GB OS:Windows 11 Home 重量:1.54kg バッテリー稼働時間:11時間程度 内蔵カメラ:搭載 |
その他 | メモリ及びストレージの交換可能 (詳細はサービスマニュアルに記載) |
DELL Inspiron 14 2-in-1 AMD プレミアム
CPUに第12世代 の Core i3-1215U を採用、液晶部分を360度回転させることでタブレットとしても利用可能な、フルハイビジョンタッチパネル式液晶を搭載しています。
メモリは8GB、ストレージは M.2 SSD の 256GB を搭載しています。
HP の ENVY x360 13-ay1000の液晶が14インチになったと考えれば良いでしょう。
液晶サイズが大きくなった分、重量も1.56Kgと少々重くなっているため、体力に自信がある人でない限り、日常持ちあるくには向いていません。
バッテリー駆動時間は非公式ですが、ネットで調べたところ7.5時間は持つようです。
裏蓋を開ける必要はありますが、この製品もメモリやストレージの交換は可能になっています。
型番 | Inspiron 14 2-in-1 AMD (Inspiron 14 742) |
価格 | 89,640円(キャンペーン適用時) |
メーカー | DELL |
発売日 | 2022年 7月25日 |
スペック | 14インチフルハイビジョンIPSタッチ液晶(1980×1080) 第12世代 インテル Core i3-1215U(6コア 8スレッド 1.2GHz~4.4GHz) AMD Radeon™ Graphics(7コア 1800MHz) M.2 SSD:256GB メモリ容量:8GB OS:Windows 11Home 重量:1.57kg バッテリー稼働時間:非公開(7.5時間程度) 内蔵カメラ:有り |
その他 | タッチパネル液晶搭載 EEE802.11ax(Wi-Fi6)、Bluetooth 5.2 メモリ及びストレージの変更/増設は可能。 (詳細はサービスマニュアルに記載) |
日本 Pavilion 15-eh2000 パフォーマンスモデルG3 【S8】

CPUにAMD第4世代 Ryzen 7 5825Uを採用を採用し、15.6インチのタッチパネル式フルハイビジョン液晶を搭載しています。
メモリは16GB、ストレージはM.2 SSD 1TBのSSDを搭載していますので、容量不足で困ることは無いでしょう。
バッテリ駆動時間は9.5時間なので、外出先でも問題なく使えますが、重量は1.71kgと少し重めであるため、外出先に持ち出す際は少々気合が必要です。
オフィスや自宅内での移動、たまに外出時に持ち運んで使うという用途にはピッタリです。
型番 | Pavilion 15-eh2000 パフォーマンスモデルG3 |
価格 | 128,000円(キャンペーン価格) |
メーカー | HP |
発売日 | 2022年 7月 8日 |
スペック | 15.6インチフルハイビジョンIPSタッチパネル液晶(1980×1080) MD Ryzen™ 7 5825U(8コア 16スレッド 1.8GHz~4.3GHz) AMD Radeon™ Graphics M.2 SSD:1TB SSD メモリ容量:16GB OS:Windows 11 Home 重量:1.71kg バッテリー稼働時間:8.5時間 内蔵カメラ:有り |
その他 | タッチパネル液晶搭載 メモリ及びストレージの変更/増設は不可 |
高性能ゲーミングノートPC(AIプログラミングにもオススメ)
これまでに紹介してきたノートPCは、CPUに内蔵されているグラフィック機能(内蔵GPU)を使って画面に表示しています。
内蔵GPUであっても、ワードやエクセル、ちょっとしたゲームやハイビジョン動画編集であれば性能的に全く問題はありませんが、本格的な動画編集やCAD、3Dゲームをストレスなく楽しむとなれば話は別です。
このような用途に向いているのがゲーミングノートPCで、内蔵GPUとは別に、専用グラフィックチップを搭載することで、高性能なグラフィック機能を実現しています。
この専用グラフィックチップを「グラフィックボード」と表現することがありますが、ノートPCの場合はメイン基板に半田付けしているので、取り外しできません。
従って、どの程度の性能のものを購入すべきかは、事前に検討しておく必要があります。
Dell G15 ゲーミング ノートPC(RTX3050Ti搭載)
ミドルクラス(中級)に分類されるGPUを搭載したゲーミングPCであり、かつAIプログラミングをやりたい人向けの推奨PCでもあります。
搭載しているGPUは 2560基のCUDAコア,20基のレイトレーシングコア、80基のTensorコア(行列計算専用コア)を搭載しており、3Dゲーム、動画編集、CAD、AIプログラミングなどで高い性能を発揮します。。
CPUはAMDの第4世代 Ryzen 7 6800Hが採用されており、16GBのメモリ、512GBのM.2SSDを搭載するなど、通常のAIプログラミングではまずスペックが不足することはありません。
バッテリー駆動時間は非公開ですが、前のモデルから推測すると4時間程度は持つのではないかと思います。
重さは2.67kgと重量級なため外出先で使うという用途には適しませんが、主に自分の机の上で利用し、たまに会議室やリビングなどに持ち運ぶという用途なら問題無いでしょう。
メモリやSSDはより大容量なものに交換が可能なので、将来の拡張性も問題ありません。
型番 | New Dell G15 Ryzen Editionプラチナ(RTX3050Ti搭載) (Dell G15 5525) |
価格 | 132,980円(キャンペーン適用後) |
メーカー | デル |
発売日 | 2022年 4月26日 |
スペック | 15.6インチフルハイビジョン(1980×1080)液晶搭載 第4世代 AMD® Ryzen™ 7 6800H (8コア 16スレッド 3.2GHz~4.7GHz) M.2 SSD:512GB メモリ容量:16GB GPU:NVDIA GeForce RTX3050Ti(4GB GDDR6) OS:Windows 11 Home 重量:2.52kg バッテリー稼働時間:非公開 内蔵カメラ:有り |
その他 | メモリ及びストレージの変更/増設は可能 (Dell G15 5525 サービスマニュアル) |
【Dell】Dell G15 スプレマシー(RTX3070Ti搭載)
CPUはIntelの第12世代 i9-12900Hを採用、16GBのメモリ、512GBのM.2SSDを搭載、そしてGPUはハイクラス(上級)に分類される RTX3070Ti が使われており、3Dゲームはもとより、8K動画編集、CAD、AIプログラミングなどで高い性能を発揮します。
RTX3070Tiは、RTX3050Tiの2倍の性能を持ち、 5888基のCUDAコア,46基のレイトレーシングコア、176基のTensorコア(行列計算専用コア)と充実の性能を誇っています。
バッテリー駆動時間は非公開ですが、こちらも3~4時間程度は持つのではないかと思います。
重さは2.67kgと重量級ですが、自分の机の上での利用がメインで、たまに会議室やリビングなどに持ち運ぶという用途に向いています。
メモリやSSDはより大容量なものに交換が可能なので、将来の拡張性も問題ありません。
型番 | 【Dell】Dell G15 スプレマシー(RTX3070Ti搭載) (Dell G15 5520) |
価格 | 197,980円(キャンペーン適用後) |
メーカー | デル |
発売日 | 2022年 7月22日 |
スペック | 15.6インチフルハイビジョン(1980×1080)液晶搭載 第12世代 インテル® Core™ i9-12900H (14コア 20スレッド 1.8GHz~5.0GHz) M.2 SSD:512GB メモリ容量:16GB GPU:NVDIA GeForce RTX3070Ti(8GB GDDR6) OS:Windows 11 Home 重量:2.67kg バッテリー稼働時間:非公開 内蔵カメラ:有り |
その他 | メモリ及びストレージの変更/増設は可能 (Dell G15 5520 サービスマニュアル) |
まとめ
今回はプログラミングをする上で必要なスペックを持ち、且つNECや富士通などの国内メーカーと比べてコストパフォーマンスに優れているノートPCを厳選して紹介しました。
DELLやHPは昔からあるパソコンメーカーであり、定価は国産メーカーとあまり変わりませんが、常時キャンペーン割引をしていることから、家電量販店やパソコンショップの同スペック製品に比べて2~3割安く購入できるのが特徴です。
バッテリー駆動時間も国産メーカーのものと同等であるため、ブランドにこだわらない方は是非検討してみて下さい。