【真実】ニートからプログラマーを目指す貴方の疑問にお答えします

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あなたは、「ニート」「プログラマー」というキーワードで検索して、この記事に辿り着いたのだと思います。

ニートは時間があるからプログラマーに向いているとか、プログラマーは人手不足だから誰でもなれるとか、さも成功体験を語っている記事とかをお読みになったかもしれまん。

それらの記事の多くは全てが嘘だとは言いませんが、かなり嘘が多く語られていて、しかもIT業界に詳しくない人が想像で書いている場合が大半です。

この記事では、ニートがプログラマーになるための大変さを知ってい頂き、その上でどのようにすればプログラマーになれるかについて現役エンジニアの立場から解説したいと思います。

あなたの疑問にお答えします

いくつかのサイトを見ると、いい事ばかりが書かれている印象があります。

これから本気でプログラマを目指すあなたにとって、最初に誤解を解いておきたいと思います。

プログラマの仕事について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

ニートはプログラマになれるのか?

まず、ニートの定義について理解しておきましょう。

日本では、「15歳から35歳までの若者のうち、学生でも労働者でもなく、仕事に就くための職業訓練も受けておらず、仕事をする意思がない人達」と定義されています。

しかし、このサイトに訪れたあたなは、少なくとも仕事をする意思があり、プログラマという職業に興味があるか、プログラマに成りたいと願っているのだと思います。

もしそうであれば、ニートからプログラマーになるのは、決して不可能なことではありません

IT業界は本当に人手不足?

確かにIT業界は人手不足です。

平成31年4月(2019年4月)に経済産業省が公開したIT人材の試算結果です。

3種類のシナリオで試算されており、不足人材は16万人~79万人という幅はありますが、いずれにせよ人材不足であることは間違いありません

実際に私の会社でも、プログラマーが集まらなくて四苦八苦する場面が多いです。

出展:IT人材需給に関する調査(概要)

IT業界は人手不足なら、プログラマは簡単になれる?

確かに慢性的な人材不足ではありますが、それは優秀なプログラマを求めているからです。

どんなに人手不足であっても、スキルに乏しかったり、話の受け答えができない方には、帰ってもらっています。

プログラマは大きく分けて、どこかの企業に常駐してプログラムを作る(準委任契約)場合と、自社内でプログラムを作る(請負契約)場合の2通りがあります。

準委任契約の場合は常駐先で面接を受けますし、自社内でプログラムを作る場合は入社時に面接があります。

どちらにせよ、人を一人雇うにはコストが掛かりますから、支払う側はその対価が得られるかどうかが面接のポイントになります。

スキルが無くても伸び代が期待できるなら、将来のことを考えてOKを出す可能性はありますが、そうでない場合は手が掛かる=受け入れる側に余分な時間やコストが掛かるわけですから、それなら雇わない方がマシです。

プログラマは頭が悪くても、特別な資格が無くてもOK?

資格は持っているとアピールにはなりますが、持っていなくても問題はありません。

頭が良いか悪いかはともかくとして、難しい数学とかの知識は不要ですが、論理的思考力は必要です。

プログラムはコンピュータに対する指示の羅列であるため簡単であるという事が書かれているケースもありますが、残念ながらコンピュータは曖昧な指示ではまともに動いてくれません。

人に指示を出すより何倍も細かく手順を組み立てて指示する必要があります。

そして、1文字でも間違えれば簡単にエラーになります。

エラーになるだけなら良いのですが、見た目上は動いているように見えているだけで、実は正しく動いていない、いわゆるバグというものも存在します。

このバグを事前に洗い出して潰すためにテストを行う訳なのですが、ただ単に適当に動かしてバグを出すというものではなく、理論立ててテストケースを考えるという作業も必要になります。

更に追い打ちを掛けるようですが、他人が書いた数千~数万行のプログラムの内容を読み解き、新しい機能を追加するという仕事も日常的に行われますので、プログラムの読解力(書かれたプログラムを動作させずに、どのような動作をするかを読み解く力)も必要になります。

お金が無くても、無料スクールを活用すれば十分スキルを学べる?

無料スクールに通っても、スキルは十分身に付きます。

ただ、選べる言語が少ないです。

無料スクールはWeb系の技術が中心になるため、Rubyという言語を教えるところが大半です。

今流行りの人工知能(AI)とか、スマートフォンなどで使われる言語はほとんど教えてくれません。

しかし、Web系のアプリケーションは需要が多いため、これをマスターするだけでもWebエンジニアとして活躍は出来ます。

コミニュケーション力が無くてもプログラマとして通用する?

最低限の社会人としてのコミニュケーション力は必要です。

というのは、プログラムを作るための設計書はSE(システムエンジニア)が作成するので、それを理解するためにSEと打合せは必須です。

やたら声が小さくて聞き取りにくいプログラマーも中にはいますが、そういう方は他のプログラマより相当プログラミングスキルが高い場合に限ります。

また、毎日或いは定期的に作業の進み具合をSEや先輩プログラマに報告しなければならないため、人と話す機会はゼロではありません。

プログラマは手に職が付く?

確かに手に職は付きます。

プログラミング言語は数百種類あると言われていますが、基本的な考え方は同じです。

ですから、1つの言語を極めれば他の言語にも応用は効きますし、手に入れたプログラミングスキルは転職してもそのまま使えます

ただ、プログラマにとってプログラミング言語はコンピュータに指示するための手段であって、実現したい対象物の知識も必要になります。

また、日本語でも地方によって方言や常識、生活習慣が異なるように、業種や作るシステムごとに必要なスキルも変わってきます。

プログラミング言語はプログラマにとって最低持っておくべき1つの素養でしかなく、他に多くの知識やスキルが必要であることも頭の片隅に置いておいて下さい。

プログラマは若くても給料は高く、将来性が明るい?

スキルさえ身に付けることが出来れば、将来性はあると思います。

平均の所定内給与(残業代などを抜いた純粋な月給)については、厚生労働省の令和元年の統計情報で公開されている通り、130職種中45位の27.8万円となっています。

これを高いとみるか低いとみるかは人それぞれなので、解釈はお任せします。

プログラマとシステムエンジニアの違いについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

出展:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

職歴は関係ない?

関係あります

雇用する側としては、少しでも優秀な人間を採用したいのです。

人を一人採用するだけで、雇用側は様々な手続きや雇用者への給料という支払いが発生します。

大手企業の場合、人を1人雇うだけで1000万円程度の費用は発生します。

もし採用した人がいつまでも戦力にならなかったり、数カ月で退職されてしまうと、雇用側にとっては大きな損失となりますから、職歴は真っ先に見られます。

ニートの場合は、まず何故ニートになったのか理由を聞かれるでしょうし、そこで面接官の納得する答えが出てこなければ、間違いなく断られます。

ましてプログラミング未経験の場合、まったくの未知数になるわけですから、よけいに面接官の目も厳しくなりがちです。

ただ、未経験であっても、情熱があって年齢が比較的若ければ採用される場合も多いので、そういう意味では他の業界よりも職歴の差は少ないかもしれません。

スクール卒業後、すぐフリーランスで稼げる?

それが出来れば苦労はしませんよね。

スクールで学べるプログラミングスキルは最低限のものです。

車に例えると、免許取り立てと同じです。

免許取り立ての人間が、いきなり著名人の専属運転手になんてなれませんよね。

フリーランスになるのは簡単ですが、稼ぐためには相応のスキルと、仕事を発注してくれるためのコネが必要です。

多くの場合、数年はプログラマとしてどこかの会社に勤め、そこで実力とコネを作ってフリーになります。

ですから、まずはどこかの会社に就職してスキルを身に付ける事を優先して下さい。

フリーランスになったら年収1000万越えは普通?

これは自称元エンジニアのYouTuberとかブロガーがよく言う言葉ですね。

よほど運が良いとかコネがなければ、プログラマで年収1000万超えなんて無理です。

そんなに簡単に稼げるなら、世の中に星の数ほどあるソフトウェアハウスはこの世から消滅してしまうでしょう。

それでも、うまくいけば600万~700万は稼げるとは思います。

これがシステムエンジニアになると1000万前後になり、コンサルタントになると1000万は超えるとは思いますが、そもそも企業が1人のフリーランスをそこまで信用してくれるかどうかです。

仕事を発注する側からすると、フリーランスと契約するのは結構リスキーです。

そのフリーランスの実力も分からず、体調不良も含めた突発的な事象で仕事が滞った時の保証も無い相手には、怖くて仕事を依頼出来ません。

よほど実力があるか、よほどそのプロジェクトに必要とされているスキルを持っているかでないとフリーランス契約はしてもらえないでしょう。

年収1000万越えは多く見積もっても100人中2~3人ってとこでしょうか。

それでも他の業種に比べると可能性は高いと思います。

本気でプログラマーを目指したいなら

ここからは、プログラマーを目指す際に必要な作業についてご紹介します。

プログラミング・スキルを身に付けよう

やはり必要最低限のプログラミング・スキルを身に付けるか、少なくとも身に付けるための努力をする必要はあると思います。

スキル習得は独学でも可能ですが、約9割の人が途中で挫折するという統計情報もありますので、最短でスキルを習得したいなら、自己投資の意味も込めてスクールを有効活用しましょう。

有料プログラミングスクールの情報が知りたい方はこちら

エージェントに登録しよう

企業のWebサイトから直接就職先を探して応募するのは時間が掛かりすぎるので、一般的には就職・転職エージェントを利用します。

ただ、新卒や経験者向けのエージェントは沢山ありますが、ニート向けのエージェントは正直非常に少ないです。

この記事には、ニートでも登録可能なエージェントを3つ紹介していますので、就職を始めたいのであれば、是非ご一読ください。

まとめ

ネットでは、「ニートが簡単にプログラマになれる」という内容の記事があまりにも多かったので、誤解を解くために現場のSE目線で質問に答えてみました。

ニートの時間が長くなるほど就職は不利になります。

また、IT業界は人材不足と言えども、簡単にプログラマになれるものではなく、ましてフリーランスで高収入を得る事は容易くありません。

思い立ったら、独学やスクール活用など手段は何でもいいので、出来るだけ早くスキルを身に付けて、自分のやる気やスキルをアピールできる成果物を作り、転職エージェントを上手に活用して就職先を見つけるという方法が確実です。

努力は必要ですが、未経験でもプログラマにはなれますので、是非頑張って下さい。


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