この記事に訪問してくださったあなたは、きっと高校卒業後に進学ではなく就職を考えていて、その就職先としてプログラマを検討されているのでしょう。
そして、なぜプログラマを検討しているかというと、「IT業界もしくはプログラマが人手不足で就職しやすい」、「プログラマなら手に職がつく」、「将来フリーランスになったら高額収入を手できそう」といった理由からではないでしょうか。
プログラマーになる方法として真っ先に思いつくのが専門学校ですが、数百万円という学費と2年もしくは4年の勉強期間が必要になってきます。
経済的かつ時間的なことを考えると、高校卒業後プログラマとして就職するのが手っ取り早そうですが、果たしてそんなことができるのか不安に思われているのではありませんか?
この記事では、私の経験を元に高卒でプログラマーになるための心構えと就職先を勝ち取るための方法について解説したいと思います。
高卒でもプログラマーになれるのか?
結論から言います。
社員数が数百人規模の会社では高卒の求人をしていないケースが多いのですが、数十人規模のソフトウェアハウスであれば、未経験でもやる気さえあれば、プログラマーとしての就職は可能です。
実際に高卒に人気の就職先ランキングでは、1位:公務員、2位:建築業に続いて、3位:情報通信業 となっており、ソフトウェア開発の人気度がうかがえます。
1位 | 公務員 |
2位 | 建設・建築業 |
3位 | 情報通信業(IT業界) |
4位 | 福祉・介護業 |
5位 | 製造業 |
6位 | 飲食業 |
7位 | 宿泊業界 |
8位 | 運輸業 |
9位 | 小売業 |
10位 | 農業 |
高卒は「若さ」が武器
中小のソフトウェアハウスはコンピュータ系の専門学校卒が多いのですが、高卒と比べて2年間のハンディしかありません。
正直言って、若いうちの2年というハンディは、本人のやる気次第で何とでもなります。
専門学校に通う事でスキルは身に付きますが、一番のメリットは本人が「プログラマ」として一生やっていけるかが分かる事ではないかと思います。
話を戻しますと、高卒のメリットは「若さ」であり「可能性」です。
会社は、面接するその人に「可能性」を見出せば、必ず採用してくれます。
ですから、いかに「やる気」というか「意気込み」を感じさせられるかが重要だということを覚えておいて下さい。
そして、本気でプログラマになろうと思うのであれば、少しでもいいので独学でプログラミング習得を試みてください。
今はYouTubeやWebサイトで有益な情報が溢れています。
たとえ独学に失敗してプログラミングが習得できなくても良いのです。
会社はチャレンジ精神旺盛な人や、自らのスキルアップに努力する人を好みます。
面接で「〇〇〇の分野に興味があるので、◇◇◇というプログラミング言語を勉強中です。まだ始めたばかりですが、△△△
ができるようになりたいなと思っています」みたいなことが言えたら、かなりのアピールポイントになるでしょう。
プログラマの需要は中小ソフトウェアにある
IT業界においては
コンサルタント > システムエンジニア > プログラマ
という大小関係が成り立っています。
例えば、IT会社のA社が顧客からプロジェクトを請け負う場合、そのプロジェクトに投入する役職に応じて次の様な費用を請求します。
職種 | 会社が顧客に提示する月額(月単価)の概算 |
---|---|
コンサルタント | 200万~300万 |
システムエンジニア | 100万~200万 |
プログラマ | 50万~100万 |
企業としては、大卒や大学院卒の社員には給料を高く設定しますから、少しでも利益が出せるようシステムエンジニアやコンサルタントとして割り当てたいのです。
逆に、一番単価が低いプログラマには、大卒より給料が低い短大卒、専門学校卒、高卒を割り当てた方がコストメリットが大きいのです。
ですから、大手企業ほどプログラマを雇わずに中小のソフトウェアハウスに外注するケースが多く、その受け皿となる中小ソフトウェアハウスにはプログラマーが増える傾向があります。
プログラマーとして仕事がしたいのであれば、大手企業に大卒で入社するより、高卒で中小のソフトウェアハウスに就職する方が圧倒的にスキルを磨けるでしょう。
高卒プログラマの方がスキル習得しやすい
学歴が高い人ほど大手企業に就職し易く、高い給料が貰える可能性は高くなります。
しかし会社としては、高い給料を支払う必要のある高学歴の社員を、いつまでもプログラマとして働かせることはしません。
最初のうちはプログラミングを勉強させますが、それは経験として身につけておく必要があるからで、早い段階で設計や要件定義などの上流工程を担当させ、システムエンジニアやコンサルタントに育てていきます。
つまり、たとえ大卒で大手企業に就職できたとしても、プログラマとしての実践を積む期間は非常に短いため、手に職を付けるところまでのスキルアップは望めません。
最終的にシステムエンジニアにステップアップしていくことは、高卒プログラマでも変わりはありませんが、プログラマとしてスキルを磨く時間は圧倒的に長くなるため、手に職を付けやすくなります。
たとえ給料面に関しては大卒に比べて低かったとしても、プログラマとしてのスキルを磨くことが出来るので、努力してフリーランスで独立できるようになれば、大手企業で就職した時より高い生涯賃金を手にすることも夢ではありません。
勿論、フリーランスになれば誰でも簡単に高収入を得られるという訳ではなく、プログラミングスキルはもとより仕事上のコネクションや顧客との信頼関係など、多くの課題を解決する必要はありますが、本人の努力次第で高収入を得られるチャンスは他の業種より多いと言えます。
いかに条件の良い会社を探すかがポイント
ソフトウェア業界はブラックな会社が多いのも事実です。
派遣先の企業でプレッシャーに耐えながら終電まで残業しても、残業代が思ったほど出なかったという事もあります。
数百名規模の会社では、そのようなブラックな事はだいぶ減りましたが、それでも完全に無くなったわけではありません。
ましてコロナ禍で倒産が相次ぐ昨今、ブラックな会社は更にブラックに磨きをかけているかもしれません。
幸いなことに、コロナ禍でもIT関連企業は売り上げが伸びており、コロナ禍の収束に備えた設備投資も手伝って、慢性的な人材不足は未だ健在です。
ですから、求人広告の中には一定数のブラック企業が含まれていると思って間違いありません。
その中から、自分に合った働きやすい会社を、いかに見つけるかが重要になってきます。
あなたが通う学校にも企業の求人が来ると思いますが、応募は一人一社までと決められていると思いますので、もしその中でプログラマの職種が無ければ、自分で探さなければなりません。
こういうときのために就職エージェントという企業が存在します。
就職エージェントは「働きたい人」と「求人している会社」の仲介役をしてくれる会社です。
さらに詳しい情報が知りたい方はこちらの記事をご一読ください。

あなたが転職エージェント経由で就職したら、その会社から転職エージェントに報酬が支払われる仕組みのため、あなた自身は一切の費用が発生しません。
もし登録だけしておいて、その転職エージェントを使わず他のルートで就職できたとしても、もちろん費用を請求されません。
少しでも良い条件の会社を見つけるために、普通は2~3社の就職エージェントに登録するのが一般的です。
就職エージェントに登録しておくと、自分の希望する会社に入社できる確率がグンと上がりますので利用して損は無いでしょう。
どの就職エージェントも、最初は無料カウンセリングがあって、あなたの希望を聞いてくれますし、模擬面接などの面接対策も行ってくれますので、賢く利用しましょう。
行動を起こすなら早いうちに
高卒での就職を考える場合、5月から始まる求人情報の開示に合わせて行動しなければなりません。
もし在籍中の高校でプログラマの求人があれば、まずはそこに応募してみるのが良いかと思います。
しかし、もしそうでないなら、自らプログラマを求めている会社を探さなければなりません。
就職エージェントは「公式に求人していなくても、良い人材があれば雇いたい」という非公開の求人情報を持っていますので、もし学校から紹介される求人情報に魅力がないのであれば、転職エージェントの活用を真剣に検討してみては如何でしょうか。

まとめ
如何でしたでしょうか。
高卒でもやる気があれば、プログラマーとして就職できます。
ソフトウェア業界は慢性的な人材不足のため、求人は多いのですが、中にはブラックな企業も含まれています。
ポイントは、いかに良い会社を見つけるかです。
活用できる手段は可能な限り活用しながら、是非自分に合った会社を見つけてください。