前回までの記事で、プログラムコードに関する一通りの説明が終わりました。
今回は、出来上がったプログラムを別のPCで動かすための方法(=配布)について解説致します。
フォルダ構成と配布対象
プロジェクトが置かれているフォルダは以下のフォルダ階層になっています。

DebugとReleaseフォルダがありますが、Visual Studioの初期状態では Debug フォルダにEXEファイルが置かれることになります。
ここに4つのファイルが出来上がっていますが、このうち以下の3ファイルのみ、実行したいPCに適当なフォルダを作って、そこにコピーすればOKです。
- IdPass.xml
- PaswordManager.exe
- PasswordManager.exe.config
PasswordManager.pdb はデバッグ情報が含まれているので、配布してもしなくても、プログラムは動作します。
あとは、PasswordManager.exe をマウスでダブルクリックすれば、プログラムが起動します。
注意点としては、IdPass.xml にIDとパスワードが格納されていて、しかも暗号化されていません。
もし他人にプログラムを配布するなら、IdPass.xml は配布対象から外さないと、自分のIDとパスワードがバレバレになるので、くれぐれもご注意下さい。
Frameworkの確認
Visual Studio 2019 がインストールされているPCでは、今回使用した .NET Frameworkが自動的にインストールされていますが、そうでない場合はインストールが必要となります。
また、.NET Framework には様々なバージョンがありますので、インストールされていたとしても、古いバージョンだと動きません。
.NET Frameworkは、Windows10のOSバージョンに応じてインストールされているバージョンが異なります。
メジャーアップデート名称 | OSバージョン | .NET Framework バージョン | アップデート リリース日 |
---|---|---|---|
初期リリース | 1507 | 4.6 | 2015年7月29日 |
November Update | 1511 | 4.6.1 | 2016年4月8日 |
Anniversary Updat | 1607 | 4.6.2 | 2016年11月29日 |
Creators Update | 1703 | 4.7 | 2017年7月11日 |
Fall Creators Update | 1709 | 4.7.1 | 2018年1月18日 |
April 2018 Update | 1803 | 4.7.2 | 2018年7月10日 |
October 2018 Update | 1809 | 4.7.2 | 2019年3月28日 |
May 2019 Update | 1903 | 4.8 | 2019年5月21日 |
今回使用している .NET Framework のバージョンは 4.7.2 なので、実行させたいWindows10のOSバージョンが 1803 以上である必要があります。
確認方法は、スタートメニュー「設定」→「システム」→「バージョン情報」でバージョン情報のウィンドウを表示し、下にスクロールさせると「バージョン」が現れますので、これを確認します。

バージョンが 1803以上の場合は、特に何もせず 該当ファイルを配布すればOKです。
Frameworkのインストール方法
もし、1803未満の場合は、WindowsUpdate でOSのバージョンを上げるか、別途 .Net Framework 4.7.2 をインストールする必要があります。
WindowsUpdateをしない場合、マイクロソフトのサイト(こちら)からオフラインインストーラーをダウンロードし、実行したいPCにあらかじめインストールしておきます。

赤枠のリンクをクリックすると
NDP472-KB4054530-x86-x64-AllOS-ENU.exe
がダウンロードできます。
ダウンロード後、ファイルをダブルクリックして、PCにインストールして下さい。
まとめ
以上で配布方法は終わりです。
Debugフォルダにあるファイルを実行したいPCに適当なフォルダを作って、そこにコピーするだけです。
EXEを実行してみて、エラーになったらFramework 4.7.2 がインストールされていないので、WindowsUpdateでOSを最新バージョンにするか、別途Framework 4.7.2 のインストーラーをダウンロードし、インストールして下さい。